春吉省吾のブログ

物書き・春吉省吾のブログです。マスメディアに抗い、大手出版社のダブスタに辟易して一人出版社を営んでいます。おそらく、いや、世界で最もユニークな出版社だと自負しています。

日本中の中小企業経営者よ、絶望の淵から這い上がろう!! VOL.114

一輪のヤブツバキ・2022.12.1
銀杏とこぶしの木・2022.12.1・中野区南台

はじめに

 このレジメは、今から13年前「2009・心身経営学」開講時に、参加者の方々にお渡ししたものです。
 この講座のレジメ〈哲理編・技法編〉は、講座参加者にしか配布していません。
13年間封印したものです。
 13年経った今、社会環境は激変しました。しかしこのレジメをお読みになった方々は、私の根本哲理は「現在の混沌を解決する哲理」だと思うはずです。
 13年前の事象で、例えば「CRPソフト(業務統合ソフト)」など、今ではあまり聞き慣れない言葉が出てきますが、現在のITを活用した総合業務システムソフトの発展段階と思ってください。

現状(2009年)をこの様に考える

 現在、世界中の超大企業から、我が社のような零細企業にいたるまで、あらゆる企業が市場を読み切れず明確な戦略策定ができないという。つまり様々な「技法」によって戦略案は作成されるが、そのどれもか効果を現さない。あるいは効果を上げても成果予測のレベルまでは遠く及ばない。競争は熾烈をきわめている。どの分野も早晩流通システムが大きく変化せざるをえない。
 世界中の情報の氾濫で、その影響は誰もが避けられない時代になった。

1.販売計画を実行しても、商品が売れない
2.市場細分化で顧客ニーズを満たせない
3.ベンチャー企業の動きによって、市場全体が大きな影響を受ける
4.ネット情報によって、商品の売れ行きが大きく変わる
5.成功事例を模倣しても、ヒット商品を生み出せない
6.最新の手法で市場予測出来ない
7.顧客ニーズがつかめない
 何れにしても、これは一過性のものではなく、これらの現象が将来にわたって続く「市場」の通常の姿ということになる。
 世間一般では、これらの現象を「複雑系」というパラダイムで捉えているが私はそのアプローチはとらない。(理由はそれでは本当の「解」にはたどり着けないからだ。講座を受講していただければわかる)  
このようになった原因そのものは私の言葉で言うと「市場そのものが意識を持った」と表現しておこう。あたかも人間の深層の意識のように。
 市場そのものが感情を持った生き物のようになるということは、定理や定義を設定する事のできない世界にあるということなのだ。
 最新の数学の手法は、最初に定義付けを行わず、無定義のまま仮定する、いわば仮説の積み上げで公理を導き出す。従来自明の理とみんなが思っていた公理が、真理ではなく、一つの仮定であるということが明らかになった。それが非ユークリッド幾何学である。
 つまり、我々が戦略思考に基づいて意志決定しようとしている様々な「経営策」はすべて仮定の下に決定されたものであって、絶対はない。
 こう話すと、理論的な意志決定論など意味がない。そんなことを学習する必要はないと仰る方がいるが、とんでもない。論旨が全く違っている。

単なる技法のための技法はだめ

 MBAを始めとする様々な意志決定のための技法は「漠とした市場空間(仮定の下ではあるが)対象を絞り込みすることである。万一それがモレやダブリと判明した場合、素早く軌道修正するために欠かせないツール」なのだが、それらの技法は、市場ニーズの傾向を示唆する資料ではあるが、絶対的なものではないということである。
 意志決定の情報の一つとしてあるに過ぎない。その情報を得て意志決定するのは、あくまで「意志決定者である貴方」だ。
 しかし、すべての要素が仮説なのだから、それによって決定した結論はあくまでも「仮定」なのである。
 その意昧では、巨大企業主導によるグローバリゼーションが進んだアメリカの経営者達にこれから起きることが見通せて、日本人の経営者にそれができないというそんな馬鹿なことはない。
 ただ、日本はアプローチの仕方がはなはだ悪く、自主性をもてず、自信を喪失してしまった。〈筆者註・2009年の米欧及び日本の経済は、年度ベースで経済成長率の推移を見ると、バブル崩壊後の日本で一番ひどい年が1998年で、実質成長率はマイナス1.5%だった。日米ともに、2009年はこれに近い状態になった。〉
 かなり恢復には時間がかかるが適正な措置(体系的な学習といっておこう)をすれはそれは立ち直れる。しかし、その措置とはハウツウや借り物のシステムでは得られない。〈筆者註・現実には、「適正な措置」を政府・財務省・日銀は取らなかったというのが「歴史」の現実〉

 要するに、当たり前だが、情報そのものは意味を持たない。情報を意味あるものにするためには処理加工をしなければならない。ここが意志決定に寄与する情報にできるか否かの問題を孕んでいるもっとも大事な部分なのだ。
 意昧ある情報とは何か、情報それ自身がどんな意味を発しているか、という絞り込みができなければ、膨大な情報がかえって意志決定者の識別力や判断力を奪ってしまう。何とも皮肉な現象だ。
CRPソフトを導入することによって効果を得られるのは、柔軟性のある組織、情報公開の進んだ、意志決定の果断な企業だけである。特に、深い洞察力と教養を持ち、柔軟な思考と果断な意志決定能力(情報識別力に)を持った経営者が率いる企業のみである。
 経営環境の変化に対応しようしても企業そのものが旧態依然とし、硬直した組織であれば効果はほとんど期待できない。導入を契機に経営革新や新しいビジネスチャンスを掴もうとする気持ちは分かるが、目的と手段をはき違えている。
 表層だけの現象を追いかけ、小手先の利益誘導をしても、企業はどうにもならない。それを率いるのが経営トップということになるが、今後益々その重要性は増す。
 洞察力、大局観を身につけ、説得力を身につけ行動や意志決定に責任を持つことが重要なのだが、その能力を自己のものにするには生涯学習、生きた学習が必要になる。だからアッという間にマスコミに担がれ、時代の寵児となった若き起業家達などは、成功したと思ったその瞬間から忽ちにして奈落に堕ちる。
 それは「自己哲理」持っていないからに他ならない。
 華やかに見えても薄皮一枚の「成功」では、成功とはいえない。それは単なる僥倖である。
 では「自己哲理」とは何かということになる。
 以下、順序だてて説明しよう。

自己哲理ということ

 グローバリゼーション、グローバルスタンダードという言葉を、呪文のように唱えて、何でも欧米と同じ様な基準に習うことがその意味だと思っている。それはかなりおめでたい。
 市場ルールは大きな一つの世界標準に収敏されるが、グローバルスタンダードを「世界標準」と表面的に読むのではなく、その世界標準のもとで、恩恵を受け覇者になるには「個性化」を一層際だたせることという絶対条件が付帯する。つまり、国家・民族の持つ自らの文化的思考を活性化された形で、哲理化し、それを維持している民族が、はじめてグローバリゼーションの恩恵に預かることができる。
 企業であれば明確なビジョンを持ちそれを十分に咀噛している企業のみがその恩恵をこうむることができるというものだ。
 これがなければ、忽ちにして、取り込まれて、憂き目を見る。
 グローバルスタンダードを標樗するならば先ず自分が(企業が)どの様な文化的「知」の蓄積があり、その文化が澱んでいないか検証しなければならない。「文化」とはそのままにしておくと居心地はいいが、澱んでいることに自覚症状がないから厄介なのだ。
 また「文化」は他との相異をはっきり意識し自覚して初めて「活きた文化」となる。それを持っているものだけが、グローバルスタンダードを勝ち抜くことができるということだ。
この根本を忘れた(いや考えもしなかった)日本が、グローバル金融資本・グローバル・デジタルIDを牛耳る組織に徹底的に、富と大切な「文化」を剥ぎ取られ、今や奴隷に落ちようとしている。気づけよ!! もっとも13年前に私が主張しても、それに気づく人間は皆無に等しかった。やられたね。13年前、私自も「グローバルスタンダード」の認識は、まだまだ甘く、「変容」それも、「フランクフルト学派」(変容共産主義)という、共産主義全体主義をヴェールで覆い、我々の生存権にまで、侵攻してくるとは予測が及ばなかった。
甘く考えていたが、現在は、そのような段階を通り越してしまった。〉

 資本力の高い多国籍企業にとっては、「国家」や民族の持つ「文化」の壁は、世界中から儲けようとする彼らにとっては「障害」でしかあり得ない。採算コストを考えれば、コスト安の後進国新興国にシフトするのが儲けが多い。自国の産業や農業が停滞するといったデメリットが顕著になる。
 つまり自国民の雇用機会喪失や、利益が増加した分、彼らにとって政治的に都合のいい資金が増える。その資金が賄賂に利用される懸念も存在する。

経営戦略と意志決定

 一般に経営戦略に基づいた一連の技法とその実践を上手に成し遂げるためには、常に正しい意志決定を伴なう。つまり、「経営戦略」と「意志決定」とはコインの裏表、光と影のようなもので分離不可分なものなのである。
 経営戦略の技法は容易に学ぶことは出来るが、それを使いこなす「意志決定」に関しては技法だけでは捉えられない。その国の歴史を踏まえた文化、それは正しく整理しなおされた思想・哲学・宗教のエキスを注入されたものでなれば、「意志決定能力」を高めることが出来ない。
 最初にお断りしておくと、目先の「利益」を得るだけなら、「心身経営学」講座においでいただくまでもない。従来型のハウツー講座で十分。しかし、中長期に企業と経営者自身の成長を考え、しっかりと土壌と幹を作るためには「心身経営学」講座で学ぶことが必要であるという自負を持っている。(当然、短期的にも成長するのだが)

その心身経営学の5つの骨格は以下の通りである

1.前提となる意志決定は「経営戦略」上のそれである。両者は不離のものである。
2.「日本的良知」をベースとした意志決定論である。
3.その仮説の前提となる哲学は、弘法大師・空海、道元禅師、あるいは法華経に代表される「宇宙観」「時空論」などの哲学的フレームである。それはアメリカン・ハウツー理論=プラグマディズムを完全に駆逐し、真の直観力を自得することができる。このダイナミックな思想は日本再生のための根本思想となるはずである。〈2021年から「量子力学」をいろいろと囓っているが、今後その思考方法も有効利用できるかも知れません〉
4.さらに、儒学(朱子学陽明学を含む)など我々にしっかり馴染んでいる思想を援用するが、洋の東西の思想・哲学、あるいは心理学、生物学などあらゆる「学」を援用することにやぶさかでない。
5.これらによって形成された仮説は「神道」的感覚によって統合される。
以上が「心身経営学」の基本骨子である

 なかには現段階で全く理解いただけない事項や項目があるはずである。当然であろう。
 初めてこの文章を読まれた方は、一体何なのか全く判らないはずである。「日本的良知」とか儒学陽明学はまだしも、「神道」と記載しただけで、アレルギー反応を起こす人もいるはずだ。
 しかし、化石化した左翼的文化人のみならず、誤解と誤認によって冷静な言葉の定義すら理解できていない人がほとんどのはずである。これは何とも不幸なことである。正していかなければならない。

1~5に関して

1.前提となる意志決定は「経営戦略」上のそれである。

 あなたが出かけるときにどんな服装をしていくか、などとクローゼットの前で、長考するご婦人もいらっしゃる。それも意志決定の一つだか、ここでは「経営戦略」上の意志決定に限定する。

2.「日本的良知」とはどんなことか?

 たとえば陽明学の「良知」は「慮(おもんぱか)らずして知り、学ばずして能くする」とあり、考える必要もない当たり前の知である。
 ここでいう「日本的良知」とは、日本人が文化の蓄積によって本来持っている良知である。
 知識は行動に移さなければ、宝の持ち腐れであり、実行できないアイデアや思想は単なる空想の産物である。意志決定に必要なのは「良知」そのものなのである。
 但し、大きく変質、いや変節してしまった日本的文化を「日本的良知」として蘇生させるには、過剰に神秘的鎧をまとった仏教、言葉で飾りすぎだ朱子学、秘伝の伝授などわざとらしい神道、何れもそれらの虚飾を一切取り去った本質の部分を取り出す必要がある。

3.意志決定能力開発のベースになる哲学は?

 日本人の文化的基礎になっている哲学(それは明確に意識している必要はない)といえば、「仏教哲学」である。
 ここでいう「仏教」とは日本の宗派仏教を指すのではない。
 私がターゲットにしている思想は、大乗仏教の理論形成の「空」「因縁」「因果」の一連の仮説的因果律のことであり、「唯識」という無意識下の阿頼耶識(あらやしき)の種子の薫習(くんじゅう)という働きを応用することである。
 ここではある文章の一片を紹介する。
「人間も、それを取り巻く自然(環境と置き換えてもいい)も、すべては移ろいやすく、その瞬間瞬間様々な要素が仮和合しているだけであって、不変・実体的なものは何一つない。それが「諸行無常」であり、「諸法無我」と言うことの意味である」(多川俊映師:唯識十章)

 私がこの中で応用している、「移ろいやすい」「諸行無常」「諸法無我」とは従来考えられているような使い方ではない。これらの言葉を一切の誤解、虚飾を取り除き「解放系」の実践的哲学として再生できればパワフルな基幹思想として生まれ変わる
 また、これからの実に厳しい時代を生きていかねばならない経営者達の心の癒し、精神の安定をもたらす哲学・思想は、これら「唯識」の中から見いだすことができる。(解説がないと難しいが、大丈夫)

4.その理論が開放系かつ実践的であれば全て取り組む

 儒学の中核となる「論語」の中でも、孔子が明確にしているとおり富への欲望を肯定している。(無条件で肯定はしていないが)
「子曰く、富と貴きは、人の欲するところなり。その道を以てこれを得しにあらざれば処らざるなり。貧と賎しきとは是れ人の悪(にく)む所なり。その道を以て之を得にしあらざれば去らざるなり」(孔子が仰った、富と高い身分は誰もが欲するものであるが、仁や義などの徳のある良い行いで得たものでなければ、その富や地位に安住はしない。貧乏や低い身分は誰もが嫌うものであるが、仁や義などの徳のある良い行いの結果そうなったのであれば、貧しい境遇のままでいい)(里仁第四)
 経済行為の実践は倫理的な問題として考えられ、たとえば渋沢栄一のように富を得る方法と目的とを倫理化することによって商人のアイデンティティを確立したように、その理論が解放系かつ実践的であれば、「論語」であろうと「近思録」であろうと、欧米のものであろうと援用する
 また陽明学の「事上磨錬(じじょうまれん)」の様に我々日本人の行動規範に深く根ざしている実践論を活かすことである
 私の提唱する「哲理」はそれができるシステムなのである。

5.これらによって形成された仮説は「神道」的感覚によって統合される

 この最後のフレーズに驚かれた方も多いだろう。明治以降の国家神道の意味での「神道」ではない。敢えて申し上げると「原始神道(原初神道・古神道)とよばれるものである。
 鎌田東二氏の言葉を借りれば「日本人のほとんどの人にとって『カミ』は概念ではない。
概念で表現できるのは『カミ』のほんの一部にすぎない。日本人にとって『力ミ』は『超越者』でも『全知全能者』でもない。『無からの創造者』でもなければ『絶対他者』でもない」
ラフカディオ・ハーンの言葉を借りれば、「『この大気そのものの中にいる何か』なのである」と言っている。
 西行法師が伊勢神宮を仰ぎ「なにごとのおはしますかはしらねどもかたじけなさになみだこぽるる」という感性と同じである。
 前述のラフカディオ・ハーン、日本人より日本人の感性を捉えることに巧だった小泉八雲、このギリシャ生まれのイギリス人が「神道」を仏教や西洋思想と比較してこう記述している。
 「仏教には万巻に及ぶ教理と、深遠な哲学と、海のように広大な文学がある。神道には哲学がない。体系的な倫理も、抽象的な教理もない。しかし、そのまさしく『ない』ことによって、西洋思想の侵略に対抗できた。東洋のいかなる信仰もなし得なかったことである
 まさに「哲学がない」ということによって「神道」を中核に据えた仮説はあらゆるものを取り込むことが可能となるのである。
 1967年イギリスの歴史家、アーノルド・トインビーが伊勢神宮を参拝し次のように毛筆で記帳した。
Here,in this holyplace,I feel the underlying unity of all religions.(この聖地において、私は、あらゆる宗教の根底的な統一性を感得する)
 世界救世教岡田茂吉が「日本は文化の組み立て工場だ」と言ったというが、世界の文化を日本の骨組みに適合させて組み立てることができるのは「神道」的体系が一番適している。
 世界の文化は自ずと「神道」的仮説の統合に収敏される
はずである。その理由はハーンとトインビーがすべてを語ってくれている。
 どの国にも文化の蓄積はある。それらの長所をどの様に活かしどの様に発展させるか、それ富永仲基(とみながなかもと)がいみじくも「加上(かじょう)(くせ)」と呼んだように、余計な装飾が施されてしまったことを認識しそれらを修正すること以外にない。自らの伝統文化を否定してグローバル化が図れるとも思わない。こんなことを強引に押し進めれば、国も、国民も、企業も忽ちのうちに滅んでしまう。〈今や13年前の危惧が、本当になってしまいそうだ。何時までも惰眠を貪っていると、命が危うい。残念だが、日本政府は全く信用できない。もう判れよ!!〉
 以上「心身経営学」の全体フレームを説明した
 そして、これらを統合した思想体系を心身経営学の「哲理」と呼ぶ
 内容的には、かなり高度であり、あるいは読者にとって未経験の分野のこともあり、「神道」と聞くと反射的に国家神道=軍国主義という、パブロフの犬的反応もあって拒否反応を起こすかも知れない。しかしここでいう神道の概念は決してその様なものではない。できれば「神道」という言葉は使わないで説明したいがそれに代わる言葉はない。例えば「古神道」と言っても、かえって判らなくなるだろう。
 是非、「心身経営学」講座に参加されることを希望する。今は難しいと感じても、講座が進めば、自ずと腑に落ちるはずだ。周囲を見回してもこれだけの内容をわかり易く解き明かす講座は無いと確信しているから。
 2009.9.19               心身経営学基本講座講師
                    株式会社ノーク代表取締役
                     Ⓒ 佐藤祥一(春吉省吾)

注意とまとめ

●13年間封印した、講座の原稿の最初の部分です。(この時の講座のレジメ〈哲理編・技法編〉は講座参加者の方のみにしかコピーしていません。一度封印しましたが、時代が必要としているようです。
 本文にはCRPソフトなど「時代的」な言葉も出てきますが、私自身の思想の根っこは些かもぶれていないという思いを強くしています。
〈〉内は、今回補足的に追加した文である。2022.11.25
●「心身経営学」と言う私の造語の「心身」とは、道元禅師の使う「身心脱落」の「身心」とは文字が逆です
 ちなみに禅師は、宋に渡り、天童山の如浄禅師のもとで修行をしました。ある日、如浄は雲水の一人が坐禅中に居眠りしているのを見て「参禅は須く身心脱落なるべし。只管に打睡して什麼を為すに堪えんや」と大喝して警策を加えました。その言葉を聞いて道元は、豁然大悟したと伝えられています。

●意志決定と「意志決定」について
「意志決定」「意思決定」(decision making )。現在、後者の「意思決定」の方が多く使われている。広辞苑によると「意志」の方には「ある行動をとることを決意し、かつそれを生起させ、持続させる心的機能」とかなり詳しい説明があるのに対し、「意思」についての説明はきわめて短い。心理学的領域においても特別の約束はない。私にとっては、心の意識が、より強く行動にリンクするという「意志」の意味を重視し、ここでは「意志決定」と記載する。

◆これらの「心身経営学講座」は

https://norkpress.com/?page_id=2135

を御覧ください

初音の裏殿第二巻「破天荒解」読者からの感想 VOL.113

駒場東大銀杏並木
駒場東大キャンパス・銀杏並木。11.3まだ少し早いかな。
中央道場
明治神宮内・全弓連中央道場 11.5
代々木公園・井の頭通り
●代々木公園、井の頭通り・銀杏並木11.5
公園の信号
●公園の樹木が、緑・黄・赤と信号のよう。11.7

はじめに

 読者からいろいろな感想を頂きました。今回は少し変わった取り上げ方で、人生の先輩方のお話をしながら、「破天荒解」の感想を御紹介させていただきたいと思います。
 あわせて初音の裏殿シリーズが、どのような目的をもって、書き進めているのかを、読者の方々や、まだ未読の方々に、しっかりと告知をしたいと思っております。従来の「歴史・時代小説」と言う括りからは、全く視座の違う日本の大河小説を目指しています。

渡邊定夫先生のことと「感想」

 まず最初は、私どもの弓道の同好会の仲間の渡邊定夫先生からの「感想」を御紹介致します。東京大学名誉教授で、今年の9月に卆寿(90歳)を迎えられました。元気で週2回、我々と一緒に弓を引いておられます。大きい身体で、矢勢もあります。大学の先生臭さは微塵もありませんし人格者です。東大の先生は、大分変わった、難しい先生が多い中で異色です。
 かつて「先生、東大の名誉教授って何か特権はあるのですか」と私が尋ねたことがありました。
 「い~やあ、世間で思われているような特権はありません。図書館や施設を利用するのに役立つ程度です」と実に屈託がないのです。
 渡邉先生は、東京大学工学部建築学科から、同大学数物系大学院を卒業された、丹下健三先生のお弟子さんです。日本のアーバンデザインの先駆者で、今、売れっ子の隈研吾さんの大々先輩にあたります。

 「破天荒解」をお読みになって渡邉先生は「十五歳の伊之助の活躍は素晴らしいですね。まだ諸外国との交流がない時代、科学的な発想でものを作りあげていくキャラクターはいいですね。彼の今後の活躍が楽しみです」と鋭い。
 「秋の遠音」の上・中・下の長編小説をお読み頂いた時も「多くの登場人物を纏めて物語にするのは大変ですね」と仰った。私はその言葉をこう解釈した。つまり、都市計画や町作りのグランドデザインの纏め役としての渡邉先生は、そのプロジェクト毎に様々な人間と関わり成果を出す立場でした。
 主人公の吉村春明は、多くの人物と関わって、諄々と成果をあげていくのですが、渡邉先生の感想は、その大変さを実体験された声だなと、私は受け止めております。
 いつも私のブログをご覧になって「毎回楽しみに読ませてもらっています。特に、私のような理工系の思考プロセスと、文科系(私は「文科系」)の違いが、よく分かって、ためになります」等々、指摘もユニークです。
 長く丹下門下で、建築学会に携わっておいでで、新宿高校出身、渋谷区在住なので、新宿渋谷などの戦後の激しい変り様を、生活の場と都市計画の双方からご覧になっておられます。 私の知らない裏話など沢山御存知です。ここでは言えないことも伺っていますが、口外禁止です。

 嬉しいメール

 先日、メールをお読み頂いた返信に、過分な褒め言葉を頂きました。嬉しくなったので皆様に御紹介します。
 「何時もながら佐藤さんの世の中を見る目、それに対応する生活姿勢、感心の極みです。
 現在世界は経済的に、またそれに引き摺られて政治的に大変革の時代に入っているようです。残念ながら、我が国は時代の流れに乗り遅れ30年前に遂行した先進性を失っている様です。老齢化した社会でも出来る生産技術開発や実施方策が求められている様です。
 何はともあれ、我々老人は日々の暮らしに充実感を持ちたいものです。以上感想と御礼です。渡邉定夫」
 渡邉先生の健康長寿の秘訣は、分析力の確かさと、それを生かすプラス思考にあるようです。みなさんも参考になさってください。

佐藤嘉一さん・私の全作品を知る読者です

 次に、私の全ての出版物やブログをお読み頂いてる、佐藤嘉一さんの感想を御紹介致します。ひょんな出会いから、何と、私の母方の家系と関係があるということで、実家の母を訪ねて来られたこともありました。
 また「永別了香港」はAmazonKindleのみの上梓で、「紙の本」になっていないと申し上げたら、わざわざKindleをお買い求めになったと言う、誠に有り難い読者のお一人で、本当に執筆の励みになっております。
 月二度ほど、随筆と一緒に、メールを読者や知人の方に、差し上げていますが、毎回必ず、返事を頂くのは、佐藤さんお一人です。それも内容をしっかりお読み頂いての返信ですから、情報提供のし甲斐があります。このメールは、日本のメディアでは殆ど報道されていない情報や、資本提供が偏っていない、世界のシンクタンクの情報・論文などから紹介しています。新聞社などの有料記事よりも、遙かに資料として役立つはずですが、プロパガンダ新聞の情報の方が有り難いようです。どうも「春吉省吾」という名が、メディアに知られていないため、甘く見られるようです。しかし、NHKをはじめとしてマスメディアが、まともな情報を提供していますか? わざわざお金を払って、「偏向報道」を掴まされ、その挙げ句「生存権」まで脅かされています。私のメールの引用記事をお読みになった方が、「長生き」しますよ。

 その佐藤さんに、ノーク出版が助けられたことがあります。

 2020年の6月に長編歴史時代小説「秋の遠音」上・中・下の3冊を同時に上梓したのですが、その中巻が、製本屋さんの大チョンボで、頁が入れ替わっていたのです。決して起こりえないはずのミスなので、頁の細部まで検品せずに予約のお客さんや流通に発送しました。ところが、数日して「先生、頁がズレています」と言う、佐藤さんのご指摘があり、「エッ」と顔面蒼白になりました。勿論、印刷・製本屋さんには、急遽刷り直しをさせました。
既に送ってしまった方々へのお詫びの手紙や、流通への販売停止や再印刷の手配など、佐藤さんのお陰で、素早く処置することが出来ました。有り難かったです。
作家、春吉は、並の作家ではやらないこんなことまで一人でやっています。VOL.107で、「ギネス級」と自虐的に自讃したのは、こんな「下作業」までやる作家は、世界で私一人だからです!! 大分前置きが長くなりました。

 「ご著書 初音の裏殿・第二巻・拝見いたしました。一読させて頂き爽やかな展開に心打たれております。引き続き、二度目の読み直しに際しては登場人物相関図等を頭に入れながら読み進めたいと思います。なお、私が感じいった一カ所は、p162『其方の好きにせよ』の一言です。
 父金吾がどう言うのか、頭を巡らせていましたのでさすがと感服致しました。〈お読みになっていないと判らないでしょうが、父と子の蟠りを感じながら、大きな愛情で父省吾が、金吾に放つ言葉です〉
あとがきも拝見しました……。初孫の「〇」ちゃんの健やかなご成長をお祈り申し上げます。ご自愛の上、第三巻を楽しみにしております」
〈「孫」と接する時は、幼いながらも、これからの厳しい環境を担っていく日本人として、祈りにも似た感情と、厳しさで向き合って行こうと思います。でも無上に可愛い。春吉〉
佐藤様のご健勝をお祈り申し上げます。

ややまひろしと屋山外記

 次に、福島市在住のややまひろし先生の感想文の一部を御紹介いたします。先生は漫画家で、エッセイストで、漫談もプロはだしです。昭和8年(1933年)のお生まれで、長く人工透析をされておられます。先日体調を崩されて緊急入院されたようですが、そんな中で「破天荒解」の長文をお読み頂き感想のお手紙を頂きました。ご快復をお祈り申し上げます。
 さて「屋山(ややま)」という名に、私の読者であれば、直ぐにピンと来られたと思います。「秋の遠音」の副主人公の一人、下手渡藩家老の屋山外(げ)記(き)がおります。そのややまひろし先生は、屋山外記の曾孫さんです。ちなみに評論家の屋山太郎氏とは従弟の関係です。
 下手渡藩藩主、立花種恭が政府側に付いたため、奥州列藩同盟を主導する仙台藩の知ることになり、陣屋が襲撃を受け、焼け落ち、領地が蹂躙されました。国家老の外記はその責任を重く感じ、維新になっても仕官をせずに、野にあって下手渡の再興に尽くしたのです。
男の中の男です。外記は主人公の吉村春明とは幼なじみで、春明を兄と慕い、時に春明が挫けたときは彼を鼓舞しました。
 下巻の最後に、春明が外記の墓に詣でて、春明自作の漢詩を読み上げるシーンは、これぞ長編時代歴史小説の醍醐味だと、勝手に自讃しています。
駄弁はこのぐらいにして、ややまひろし先生の感想の一部を御紹介します。

 正鵠を得た感想

 「早速、読み始めましたが、私には経営学の本だと思って読ませて頂いております。ほかの作家では到底書くことの出来ない企業経営の神髄が述べられていると感じました」
〈この後、ご病気のことが書かれておりましたが、省きます〉
 「先ず主人公の金吾を大企業の社長と考えると、会社の展望、経営方針を考えるその必要な情報を的確に掴んでいるその速さが見事である。核となる情報は自分の胸に納め、経営方針が決まったら重役から末端の平社員まで喜んで働けるように手配する。その人間的魅力は素晴らしい。
 会社の財政はこと詳細に述べられている。利益率の高い商品をどのようにして手に入れるか。白砂糖、高麗人参など大量に仕入れ、その販売先を的確な方法で売ることを決め、莫大な利益を得ることを判断して実行している。
 それと昔の小説では考えられぬほどの膨大な登場人物。それが複雑にからみあって大きな立体物として、変化する世の中を津波のように進んでいく。全く考えられない大河小説。
これでは並の編集者は尻込みするでしょう。出版は無理ですと逃げだすに違いありません。春吉先生だから出来る難事業だと思います」〈後略〉

 ややま先生のご指摘は、実に正鵠を得ています。また、ご指摘のように「膨大な登場人物」ですが、これが私が一番危惧するところでした。
 はっきり申し上げると、従来の先輩先生方のお書きになった大河小説や幕末の歴史小説に慣らされてきた方々にとっては、「登場人物が多くて難しい、人間関係を把握するのに骨が折れる」となるはずです。間違いなくそうなります。それを承知で執筆していますから……。

従来の歴史小説の限界

 戦後の経済的な高度成長によって、一億国民総中流意識を持った日本人が、物質的満足感だけでなく、自らの働き甲斐や、日本人のアイデンティティーを満足させる「歴史小説」が求められました。そのためには誰もが難なく読めるようなレベルの物でなければなりませんでした。
 筋立ては単純で読みやすく、登場人物はできるだけ少数にしなければ、多くの国民が読む「新聞小説」の役割は果たせませんし、新聞小説による購買拡大も出来ません。
 しかし、どうでしょう。それが故に、日本人は物事を深く考えることをしなくなり、主人公を情緒的に英雄化し、いつの間にか、歴史の表側しか見られないように「慣らされて」しまったようです。
 日本を取りまく世界の環境はそんなに単純ではないと言うことが、目覚めた、2割弱ほどの日本人は、判り始めましたが、戦後のGHQ政策による徹底した「日本人教育」のその効果は絶大で、精神の根幹に楔を打ち込まれたように、殆どの国民は目覚めていません。ちなみに、追加接種率世界一(2022.11.10現在)。まずは行動を起こすのにも、睡眠状態から覚醒することが必要だが、睡眠剤を嬉々として打っている日本人が8割を超しています。
 そして悲劇は、日本の文化、知力をリードしなければならない「知識人・識者」の多くが、重層的な考えが出来なくなってしまったことです。
 日本学術会議などの面々に見られるように、意地汚いDoubleStandardを持ち込み、ずる賢く、既得権益を死守しようとしています。御本人達は、それに全く気づいていないことが悲劇なのです。
平板なものの考え方しか出来ない(自分の行動を擁護するためにネガティブにしか物事を考えられない)     学者は、いったいどんな勉学を積んできたのか、私には理解できません。日本の税金補助を受け、教職者として生活してきた学者が、あろうことか、ミサイルを我が国に向けている中共に軍事技術情報を横流しして日本を売っているありさまです。

生存権を守るには、真の教養の醸成のみ

 人間は善にもなれるし悪魔に魂を売ることも出来るし、味方が敵に豹変し、敵の敵が味方になる事もあります。人間関係の複雑さ、利害関係の複雑さの歴史を知らなければ、この先、日本人の生存権は決して守れません。
 戦後、日本を統治してきた、全ての政府は、国民の生命と暮らしを守ることに真摯に向き合っていません。まるで世界を牛耳る金融資本家の御用聞きのようで、国民を人質にしています。その世界の金融資本家たちの、ずる賢さ、冷酷さは、ほとんどの日本人は知りません。
 その恐ろしさを知っている日本の政治家たちは、決して彼らには逆らいません。自己保身に終始し、奴隷のように従います。そして睡眠状態の日本人から徹底して絞り上げます。30年働いて、実質賃金がマイナスという世界最悪の政治・経済政策をしていて、怒らない国民。政治家も財務官僚も、日銀も気楽な稼業です。日本国民は嘗められたまま、いまだに眠っています。
 しかしこの体制は戦後に始まった事ではありません。
 幕末日本に圧力を掛けた、イギリス、フランス、ロシア、アメリカの列強が、日本を植民地化しようとし、それが無理と判ると、どのように利を貪ろうとしたかという、ペリー来航以来、170年近く、日本に張りめぐらされ、今に続く、「隠れた裏舞台」があるからです。
 これまでの幕末維新の歴史小説では、それらは具体的に述べられていませんし、例えば、坂本龍馬や小栗上総介忠順が、イギリス、フランスなどの公使や政商とどのような交渉をしたのか、体系的に語られません。(「秋の遠音」では中巻・下巻に記載)それは、無知による屈辱的交渉でありました。情報無知がその後の日本をどれ程窮地に追いやったか、我々は知る必要があるのです。日本の為に世界はありません、彼ら西欧列強の金融資本家達のために「日本」は利用され、残念ながら、さらに毟り取られています。

もうそろそろ気がついてもいいでしょう

 日本人を食い物にしようとしているグレートリセット(名前は立派そうだが、全体主義者です)と金融資本家の権謀術数、欲得だらけの悪魔のような相手にどう向き合うのか。
 このままでは太刀打ちできません。随分と遠回りと思っても、日本人の寄って立つ精神のよりどころを学んで自家薬籠中のものにしておかないと、日本人は、簡単に分断されます。本当に簡単にです。既得権益者と、欲の塊の「政界・官界・財界・労働界・文化界」(それに加えるとすれば、「宗教界」)をそのままにしておけば、屈辱的で自由のない未来に追い込まれます。中共も日本本土には、軍事力侵攻などしません。既に「経済侵攻」されているではありませんか。アメリカを中心とした覇権国家と、敵対する中共の板挟みですよ。
 「俺はもう、長く生きないから、そんなことはどうでもいい。あまり考えずに、美味いものを食べて人生終わりたい」
 そういう無責任な老人は、GHQに仕込まれた、フランクフルト学派の「隠れ」修正共産主義者です。自分で自覚していないのですよ。「愚か者、恥よ!!」と言いたいですね。

実は遠回りのようで、一番の近道だ

 日本人の寄って立つ精神のよりどころとは、例えば、古事記であり、万葉集であり、源氏物語であり、日本的な仏教やこれまた日本的な儒教の教典の中にあります。
 グローバル化で、世界金融資本の圧力の前に、日本人としてのアイデンティティーを持たない人間は、簡単に潰されます。「武士道」だけでは戦えませんよ。縄文からの精神性がなければ、とてもとても、彼らには太刀打ちできません。
 それは20数年前から、私が主張している「心身経営学」の根本理念です。

 しかし殆どの日本人は、「日本人の基礎となる精神性」を自覚していません。教科書ではその欠片しか、我々に示していません。
「でも、今から、源氏を読むなんて……」という方々には、初音の裏殿シリーズをお読み頂いて、そのエキスを、楽しみ、興味があれば、原典を取って頂ければいいと思うのです。つまり日本的古典や教典を日常にどう生かすかという手法が、「初音の裏殿シリーズ」に含まれているのです。
 歴史小説の中で、何故「教養的なこと」を記述するのか、それは日本人の感性の有り様を学ぶことは、日本振興のために、必須なことであるからです。これをお読みの賢明な読者はおわかりでしょう。

初音の裏殿シリーズを読むことだ

 昨年8月に発刊した、第一巻の「怪物生成」では、その天才的知略と、天皇家の血筋を持つ18歳になるまでの金吾の異能の片鱗を読者に披瀝しました。金吾が「怪物」と称されたその経緯が綴られています。そして冒頭の記述から、とんでもない物語が始まるという予感がするはずです。金吾を日本人の     「血」を代表する、天才として誕生させました。そしてその視座は世界を向いています。
 今年9月末に発売した第二巻の「破天荒解」では、金吾が、宇良守藩の家臣と領民、そして宇良守家を取りまく様々な組織の者達を一つに纏め、相互の協力で強力な情報組織を作るその第一歩を踏み出す迄を記してあります。目的達成のための戦略・戦術を着実に具体的に実践していく金吾の行動力を記述しました。
 企業経営で悩む方々や、起業をしようとしている方々には、MBAの机上の論議よりも遙かに役立つはずです。
 そして、現在執筆が始まった第三巻「愛別離苦」では、金吾の事業計画は着々と進み、藩の財政は豊かになりますが、金吾に様々な苦難が押し寄せます。どん底に落ちるかも知れません。はたして金吾はそこからどのように這い上がり、人間的に更に大きくなっていくのか。新しい視座で幕末を描く、「日本人の大河小説」をお楽しみに。
       2022.11.12         春吉省吾

第二巻「破天荒解」発売記念として、一巻・二巻のセット販売、特別価格5,500円(消費税送料込み・限定200セット)で販売いたします。第二巻「破天荒解」も特別価格2,700円(消費税送料込み・限定200冊)です。自作したB7版・特製度量衡しおりも、先着300名様にプレゼント致します。

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YouTube春吉省吾チャンネル(「冬の櫻」「秋の遠音」「怪物生成」の動画など)〈作品のイメージ動画発信〉

新しい歴史小説の視座を求めて VOL.112

●ウォーキング中に見つけた季節外れの丸葉朝顔 10.25
●某地点から新宿を望む。櫻の葉が大分伸び、ビル群が隠れてしまった。10.25
●福島在住の親戚から頂いた、新米。10.26


〈本文〉

 年齢に抗って、70歳から上梓した、幕末・維新大河小説「初音の裏殿」シリーズはそれぞれテーマ毎になっていて、途中からお読み頂いても良いです。しかし、第一巻からお読みになれば、主人公の成長と、幕末社会の変動と緊張が時系列にお楽しみ頂けます。
  第一巻の「怪物生成」では、主人公宇良守金吾が、突然何者かに襲われるシーンから始まりますが、これは、第三巻以降の物語のシーンを「冒頭」に記載し、これから金吾の未来に立ちはだかる様々な困難を、まずは読者の皆様の脳裏に焼き付けて頂くためのものです。
  第一巻の「怪物生成」では、その天才的知略と、天皇家の血筋を持つ18歳になるまでの金吾の異能の片鱗を読者に披瀝しました。金吾が「怪物」と称されたその経緯が綴られています。とんでもない物語が始まるという予感がするはずです。
  今年9月末に発売した第二巻の「破天荒解」では、金吾が、宇良守藩の家臣と領民、そして宇良守家を取りまく様々な組織の者達を一つに纏め、相互の協力で強力な情報組織を作るその第一歩を踏み出す迄を記してあります。
  琉球から、大量の上白糖や氷砂糖、高麗人参や薬種を購入し、大坂商人も驚くほどの戦略と緻密な戦術で全て売りさばきます。これは、現在の経営やマーケティングに応用できます。私の長い経営コンサルタントとしての経験から、中小・中堅企業の経営管理者の方々、これから起業する方々にとっては、MBAの経営書を読むよりも遙かに役立つと思っています。「人・モノ・金」、そして何よりも重要なのは、「情報」と、全体を指揮する指導者の人間性と、決断、勘働きなど、人を動かすあらゆる要素が書かれています。
  ハウツウの経営書をお読みになるより、抽象論に終始する人生啓蒙書の類いの本をお読みになるよりも、この「初音の裏殿」シリーズをお読みになる方が、はるかに役立ちます。
  
  さて、第一巻の「怪物生成」をお読み頂いたある読者のお一人から、「この小説はむずかしい」というご指摘がありました。
  僭越ながら、はっきり申し上げます。「それは日本人の知的レベルが大きく劣化したからです」と申し上げます。
  というのも、これまでの歴史時代小説、特に大河小説と言われるジャンルでは、戦後の高度成長期の時代に大いに貢献しました。日本国民の一人一人が、ある理想に向かって合理性を追求し、寡黙に働き努力すれば、社会的な貢献を果たし、日々の暮らしも良くなり、目標は達成出来ると信じた時代でした。日本人を鼓舞した歴史小説が流行りました。本来「英雄」とは呼べない人物まで、日本人のヒーローになりました。
  良い時代でした。大衆小説や国民的作家といわれた方々が輩出した時代でした。
  しかし今、経済活動のみに専念し、築きあげようとした「一億総中流意識」の時代は終わりました。バブル経済も弾け、プラザ合意以降、国際金融資本家達によって、日本人の蓄積した富は、海外に流出し、国民の実際の生活現場は、30年も成長せずにボロボロです。
  そして、この3年近くにわたるコロナ禍によって、国民は恐怖におびえ、分断され、何をどのようにしたらいいか判らなくなってしまいました。日本国民はあまりに単純で無知でした。
  これだけ真面目に働いて、あなたの中に何が残っていますか。〈金銭だけではありませんよ〉
  何故こうなったのか判りますか。〈あらゆる情報が封鎖されています〉
  そうならないようにあなたは何をしましたか。〈しっかり意志表示せずに、盲従だけでは悪政を許可したことになります〉
  
  明治期以来、欧米から持ち込んだ「合理性」をひたすら追求し、多くの日本人は、本来持っていた「非合理性」を捨てようとしています。いや、捨てるように仕向けられて、それに従ったという方が的を射た表現でしょう。
  非合理性とは、本来日本人が持っている文化や伝統のことです。四季豊かな日本列島で、先祖への感謝や、家族同胞と助け合い分け合い、自然を畏怖し、自然に感謝し、折々の行事を行った日本国民の特質です。実はこれを喪失すると大変なことになるのですが……。
  私はその代表が「天皇」だと思っています。国民の見えないところで、国家安泰、国民の繁栄を祈る宮中祭祀の主宰者です。年間で20件近く行われますが、新嘗祭はその代表です。「祈り」が天皇の仕事なのです。日本国民の依(よ)り代(しろ)です。
  この「非合理性」の大切さを本能的に判っていたのが、江戸時代迄の日本人でした。これがなくなってしまうと、日本国民はバラバラになってしまいます。
  特に戦後、西欧の合理性を追求する思想と、天皇制に代表される非合理性は矛盾するので、このことに関して、その本質は表だって語られませんでした。
  様々な民族が混じり合って、「日本人」を作りあげてきたと思いますが、この非合理の依り代「天皇制」があることによって、日本人の精神性は分裂せずにやってこれました。
  「初音の裏殿」シリーズの、主人公の宇良守金吾は女系ですが、光格天皇の孫に設定した意味は非常に重く重要なのです。
  保守思想の重鎮の一人、田中英道先生の著書「日本人を肯定する・近代保守の死」の中で、「司馬遼太郎の合理性と天皇という章があります。その中で
  「司馬遼太郎が書いた一連の日本に関する著作の中では、天皇が一切描かれていないということです。ここには明白な理由があるように思えます。天皇を書いてしまうと、合理性が一瞬にして消えてしまうからではないか。『合理性』という絶対根拠が消えてしまうことを恐れて描いていないのではないか、ということです」と記載があります。
  田中先生の指摘は頷けます。
  私がこの幕末維新・大河小説を書く動機は、従来の歴史小説とは「違った視座で、幕末・維新」を見直そうという意志のためです。
  
  私は日本の精神性は、縄文時代から続く精神性が「天皇制」をも取り込み、仏教、儒教道教、などが渾然となり、祭りや行事、更には習慣、文化としての芸術・文学を形づくったと考えています。
  金吾が天皇の血筋を引くことから、伝統的な行事やそれに類する食べ物、万葉集古今和歌集源氏物語などが、物語の隠し味になっています。
  また、江戸の経済書朱子学陽明学蘭学や、法華経や禅、剣術奥義書など、従来の歴史時代小説では統合されなかった、様々な要素を噛み砕いて本文中の至る所にちりばめました。
  前述した「この本は難しい」と思った読者の方は、かつてこの様な歴史小説をお読みにならなかったからです。事実、第二巻「破天荒解」をお読み頂いて、「面白かった。第三巻を楽しみにしています」というお返事を頂きました。
  今から、源氏物語万葉集、古今・新古今などを読むこともしんどいなという方のために、それらの要素を入れ込んだ、日本の大河小説とはこういうものだとご理解頂きたいのです。
  例えば、幕末・維新に活動した、坂本龍馬が、西郷隆盛が、勝海舟が、あるいは下級公家の出の岩倉具視が、源氏物語の日本人の琴線に触れる物語=日本的精神性と、蘭学や万国公法などの西欧的合理性の深層を理解し、両者の本質的相異を「知覚」していたら、幕末は変わっていたはずです。
  徳川家康が、源氏物語を熱心に読み聞いて、日本人の深層を理解していたことと、同時にヤン・ヨーステン(「耶楊子」八重洲の由来)やウイリアムアダムス(三浦按針)などの意見を採り込んで、スペインの合理性の中に潜む野望を見抜きました。
  合理性に特化した世界の覇権国家の危険性を見抜いた家康は、一方で、人間の機微、男女の機微など、日本的文化の精神性をしっかりと咀嚼していました。彼は、狂信的な一向宗徒の家臣達に散々手を焼きましたからね。
  家康のような合理と非合理の両者を備えた人物でなければ、日本ではゼネラル・マネージャーにはなれません。こういう指導者が増えない限り、日本再興(いや戦後、日本はいまだに米国の属国です)・日本独立はあり得ません。そして私は、現在の合理性を追求するだけのリーダー達が指導する「世界」は大きな挫折を迎えると確信しています。その時、本来持っていた日本人の特性を磨かない、薄っぺらな日本人だらけでは、立つ瀬がありません。日本独立はないのです。
  
  私はこの「初音の裏殿」シリーズを、次世代のためにも書いています。
  時代の表面をなぞるだけの歴史小説や、「希望と願望」の似非(えせ)ヒーローを作りあげても、それはこの先の日本国を深く毒してしまいます。
  幕末・維新を舞台にした過去の歴史を書きながら、どのような未来を具体的に作りあげるか、そのためにはどのような「手段」によって新しい「歴史」を作っていくのかという意識で執筆しています。つまり、過去の歴史を書きながら、未来への手掛かりを探る手段として、「初音の裏殿シリーズ」を書いています。
  
  21世紀の厳しい環境で生きる日本の子供達には、人間の尊厳そのものを教えなければなりません。しかし残念ながら、それらを著しく阻害している組織が厳然として存在しています。 それらの組織が、我々の自由を根底から奪おうとしていることもまた冷静に伝えなければなりません。しかし、伝え方を誤れば、日本はアメリカと同じように分断の憂き目をみます。多くの血も流れます。
  聡明で、大局を判断できる感性を持ち、したたかで、決して挫けない、国民の権利を守る人物の養成を図らなければなりません。どのような手段をもって、我々の暮らしを守るのか。
  もっとも大切なことは「拙速に勝たなくて良いのです。決して負けないことです」。
  そのために、具体的な戦術をどのように展開するかも問われます。グランドデザインも必須ですし、そのための日本人の持つべき哲理を磨かなければなりません。これまで、そんなこと考えたこともないという方は、とにかく一から、勉強し直してください。近々プログも作っていきましょう。「心身経営学2023」(仮題)というものです。
  理想を掲げても、人・モノ・金がなければ、戦えません。そしてそれは何時までに、どうすべきかということを、明示化して実践しなければなりません。
  僭越ながら、70歳をすぎた私が超長編歴史時代小説を執筆しているのは、その手掛かりを、心ある日本国民と未来を担う方々に知ってもらうための努力です。大赤字でも必死で頑張っているのは、はっきりした私なりの使命感があって楽しんでいるからです。言ってみれば自分のためですね。
  
  第二巻を書き終え、小休止する間もなく、第三巻を執筆しています。第三巻は、このブログではじめてご披露しますが、「愛別離苦」というタイトルに致しました。
  金吾の事業計画は着々と進み、藩の財政は豊かになりますが、金吾に様々な苦難が押し寄せます。これでもかというぐらいにです……。七転八倒する金吾が描かれます。そして、金吾はどう立ち直っていくのか……。
  愛別離苦では、金吾の20歳からその7年後、嘉永6年の6月3日、ペリーが浦賀に現れるまでを描く予定です。そして安政の時代に突入します。読者の方々には、知られていない幕府、朝廷の駆け引き、そして海外列強の圧力も、より広い世界史的視野で描きます。お楽しみに。
   2022.10.31  春吉省吾
  
   現在、ホームページを刷新中です。併せてセキュリティの強化も図っています。
  これも一人作業なので大変です。
  刷新の理由は、情報の価値を知らない方に、高度の情報を提供しても意味がないと判ったからです。但、必要としている方は多いはずなのです。他のブログ、Twitter、YouTubに書かれていない情報を集め、統合・分析して提供する必要があると思っています。大手新聞社の有料ブログ記事よりは何倍も役に立ちます。また「心身経営学」未公開の講義録も、改訂編集してアップします。20数年前は斬新すぎて、理解されませんでしたが、時代がようやく追いかけてきたようです。
  「省吾の時局随筆」「心身哲理講座・2023」「春吉省吾NetShop」「省吾会員YouTube(仮題です) 

第二巻「破天荒解」発売記念として、一巻・二巻のセット販売、特別価格5,500円(消費税送料込み・限定200セット)で販売いたします。第二巻「破天荒解」も特別価格2,700円(消費税送料込み・限定200冊)です。自作したB7版・特製度量衡しおりも、先着300名様にプレゼント致します。

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何でも売れればいいのか、アマゾンさん VOL.111

●何とアマゾンで「春のみなも」上巻が、30,180円で売られていた。

●アマゾンで「春のみなも」下巻が、8,722円で売られていた。

〈本文〉

  アマゾンに掲載されていた、弊社の書籍仕入れ商品「秋の遠音」の上中下巻と、「怪物生成」の書籍が消えた。何もしていないのに、アカウントが勝手に閉鎖された。再開するには、身分証明書の写真(免許証かパスポート)と、カード取引の本人確認が判る取引明細書の写真を送れと、個人情報を要求される。止むなく送ったが、数日して不備とメールが来た。ピントが甘かったのか、不採用の理由がわからない。
  またアマゾンでは、身分証明書として、日本政府発行のマイナンバーカードは受け付けないということらしい。日本政府が鳴り物入りで、今後全て統合する予定の「証明証」なのだが…。アマゾンにマイナンバーカードが袖にされた。

  それにしても日本人の個人情報はビックテックやLINEにダダ漏れ、今度は、デジタル庁の河野太郎大臣、何をとち狂ったのか、中国のTikTokとデジタル庁と連携でマイナンバー啓発動画ときた。正気か? 日本も嘗められて当然だ。日本人の情報はこれで中共にもダダモレだ。まさにブラックユーモアの世界だ。「無節操でお〇鹿」な指導者のために迷惑をこうむるのは、我々庶民なのだ。情報漏洩を甘く見るなよ!! 正しい情報を得る権利と国民情報の漏洩防止は日本人を日本人たらしめる防守の最大のかなめなのだ。これこそが、主権者である日本人のために、日本政府が行う「仕事」であろう。それを勝手に放棄してどうする。
  
  わが社のことに戻る。先々週発見したのだが、2014年(平成26年)に、ノーク出版から発行した「春のみなも」の古本の上巻が30,180円 下巻が8,722円で販売されていた。AmazonKindle版として改訂新版の作成中で、半年以内に発刊予定なので、ノーク出版から直のアマゾンの在庫はない状態だった。現在は消されているが証拠写真としてアップしておく。弊社のアカウントが一方的に閉鎖されたことと関連があるかも知れない。そうだとすると、とんだとばっちりだ。
  それにしても、この値付けはどういうことだ!!   出版元であるノーク出版、そして著者である「春吉省吾」が驚いた。本来、古本業者が、コレクター商品として高額価格を付けることはあるが、現に、わが社の2つのネットショップで販売している商品だ。この古本業者はあまりにひどい。そしてアマゾンは何の基準でこんなに高額金額を許可したのか、その基準を聞きたいところだ。
  アマゾンとしては、その古本業者を認可し、手数料が入れば良いのだろうが、出版元であるわが社と著者である私、そして何よりも、読者を冒涜しているのではないか?
  一円で売られる古書籍が、送料350円という例は多くある。著作者は「自分の本が一円で売られたら頭にくる」と皆思っているはずだ。労作が紙くず以下で扱われているのだから、当然だ。
 しかし買う側にしてみれば、Amazonという検索・販売システムは便利だが、ここまで巨大になると、売り手としては、アマゾンにアップされなければ、販売の途が断たれることにもなりかねない。勢い、黙ってアマゾン様に従わざるをえない。
  しかしその裏に回るといろんなことが見えてくる。販売して直ぐに、古書として大量にアマゾンに流れる一連のルートやからくりが存在する。
  商品評価の星印、コメントはやらせが多い。その評価やコメントは、はたして鵜呑みにして良いものか? しかし我々はそれらに対し何の疑問も抱かなくなってしまった。寧ろそれを唯一の基準にしているようだ。作為的にやろうとすればチョロいものだ。ネット購入者は、それらの評価は正しいと完全に刷り込まれてしまった。かく言う私も「欺された」ことが何度もある。
  
  さてアマゾンだが、曖昧なまま、証明書類を再送するのもいやなので、突然ブロックされたその理由を聞きたかった。メールでは、状況が伝わらないし、無視されたらそれで終わりだ。
  ブログ内にある「電話対応」の記載のところ迄ようやく辿り着き、いざ繋がったと思ったが、30分以上待たされて、ろくな会話もなく、部署が違うと違った番号を教えられた。しかしそこは繋がらない電話だった。繫ぐためには全く違う手続きが必要と自分で調べて判った。
 ようやく繋いだが、結局「いつになるか判りません。その可否は連絡メールが来るまでお待ちください」と振り出しに戻ってしまった。ちなみに、それぞれの電話対応に出た男女は、中国人らしく、話が十分に伝わらなかった。そうだ、アマゾンはグローバル企業なのだと改めて思った。
  まあ、想定していたことだが、アマゾン様のドグマに従えと言うことだ。よく分かった。
  日本の出版流通は、完全にアマゾンに従属させられてしまい、何の対抗策もない。一時期、主要書籍流通が主体となってアマゾンのようなことをやろうとしたが、その企画は潰れたようだ。二番煎じじゃ成功するはずかないだろう。頭を使え!!
  今や電子書籍もAmazonKindleに対応しないと、多くの人が読んでくれない。
  尤もアマゾンの販売は、書籍だけではない。世界中の商品を瀬取り販売して手数料を稼いでいる業者や個人もいるし、中小・零細の販売ルートを持たないメーカーにとっても好都合だ。
  アマゾンによって流通の販売システムが激変したとも言える。世界を覆うビジネスモデルとしては最高だが、しかし、この独裁的なグローバルシステムは、実は大変恐ろしい。便利さと危険さは裏表の関係だと認識しておくことだ。
  
 コロナ関連の使途不明金が、何と11兆円にのぼるという。あまりに杜撰だ。
  例えば、検査そのものに不適なPCR検査システムをしろと、あらゆるマスコミ、行政、政党が騒ぎまくった。そのコロナ関連の使途不明金の一割、二割もあれば、世界最強の日本版プラットフォーム・サーバーシステムをつくれたはずだ。
 しかし、与野党を問わず今の国会議員、政府官僚の中には、そのようなグランドコンセプトを作れる人材はいない。日本の限界だ。しかしマスコミにも知られず、似非保守でもなく、売国のフランクフルト思想に染まらない、優秀な人物はいるはずだ。日本には埋もれた天才は限りなくいる。だが、政府や官公庁は彼らを絶対採用しないだろうな。自身の軽薄さと、保身と嘘がばれてしまうからな……。
 日本人の個人情報は、今や完全に操作され、日本政府・都道府県が率先して、世界に拡散中だ。いくら個人情報保護法を作っても、行政の情報管理システムとその運用する人材がお粗末なのだから対処の仕様がない。

 何の抵抗もなく、殆どの日本人は先ずアマゾンでチェックする。それが「購買」の常識のようになってしまった。わが社のような零細出版者のアマゾンとの関わり方は、アマゾンを自社書籍の告知の場所として副次的に利用し、弊社のネットショップに誘導し、購買に繋げるしか方法がない。弊社のネットショップでは、最新版・訂正版を準備し、価格もいろいろな「特売」を設定しているが、購買者がそこまでなかなか辿り着かないというのが現状だ。だが、これをご覧になった読者諸兄には、賢明な「買い方」をして頂けると信じている。
                                                        2022.9.27       春吉省吾


第二巻「破天荒解」発売記念として、一巻・二巻のセット販売、特別価格5,500円(消費税送料込み・限定200セット)で販売いたします。第二巻「破天荒解」も特別価格2,700円(消費税送料込み・限定200冊)です。自作したB7版・特製度量衡しおりも、先着300名様にプレゼント致します。

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●ノーク出版ホームページ https://norkpress.com/
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●何とアマゾンで「春のみなも」上巻が、30,180円で売られていた。

●アマゾンで「春のみなも」下巻が、8,722円で売られていた。

〈本文〉

  アマゾンに掲載されていた、弊社の書籍仕入れ商品「秋の遠音」の上中下巻と、「怪物生成」の書籍が消えた。何もしていないのに、アカウントが勝手に閉鎖された。再開するには、身分証明書の写真(免許証かパスポート)と、カード取引の本人確認が判る取引明細書の写真を送れと、個人情報を要求される。止むなく送ったが、数日して不備とメールが来た。ピントが甘かったのか、不採用の理由がわからない。
  またアマゾンでは、身分証明書として、日本政府発行のマイナンバーカードは受け付けないということらしい。日本政府が鳴り物入りで、今後全て統合する予定の「証明証」なのだが…。アマゾンにマイナンバーカードが袖にされた。

  それにしても日本人の個人情報はビックテックやLINEにダダ漏れ、今度は、デジタル庁の河野太郎大臣、何をとち狂ったのか、中国のTikTokとデジタル庁と連携でマイナンバー啓発動画ときた。正気か? 日本も嘗められて当然だ。日本人の情報はこれで中共にもダダモレだ。まさにブラックユーモアの世界だ。「無節操でお〇鹿」な指導者のために迷惑をこうむるのは、我々庶民なのだ。情報漏洩を甘く見るなよ!! 正しい情報を得る権利と国民情報の漏洩防止は日本人を日本人たらしめる防守の最大のかなめなのだ。これこそが、主権者である日本人のために、日本政府が行う「仕事」であろう。それを勝手に放棄してどうする。
  
  わが社のことに戻る。先々週発見したのだが、2014年(平成26年)に、ノーク出版から発行した「春のみなも」の古本の上巻が30,180円 下巻が8,722円で販売されていた。AmazonKindle版として改訂新版の作成中で、半年以内に発刊予定なので、ノーク出版から直のアマゾンの在庫はない状態だった。現在は消されているが証拠写真としてアップしておく。弊社のアカウントが一方的に閉鎖されたことと関連があるかも知れない。そうだとすると、とんだとばっちりだ。
  それにしても、この値付けはどういうことだ!!   出版元であるノーク出版、そして著者である「春吉省吾」が驚いた。本来、古本業者が、コレクター商品として高額価格を付けることはあるが、現に、わが社の2つのネットショップで販売している商品だ。この古本業者はあまりにひどい。そしてアマゾンは何の基準でこんなに高額金額を許可したのか、その基準を聞きたいところだ。
  アマゾンとしては、その古本業者を認可し、手数料が入れば良いのだろうが、出版元であるわが社と著者である私、そして何よりも、読者を冒涜しているのではないか?
  一円で売られる古書籍が、送料350円という例は多くある。著作者は「自分の本が一円で売られたら頭にくる」と皆思っているはずだ。労作が紙くず以下で扱われているのだから、当然だ。
 しかし買う側にしてみれば、Amazonという検索・販売システムは便利だが、ここまで巨大になると、売り手としては、アマゾンにアップされなければ、販売の途が断たれることにもなりかねない。勢い、黙ってアマゾン様に従わざるをえない。
  しかしその裏に回るといろんなことが見えてくる。販売して直ぐに、古書として大量にアマゾンに流れる一連のルートやからくりが存在する。
  商品評価の星印、コメントはやらせが多い。その評価やコメントは、はたして鵜呑みにして良いものか? しかし我々はそれらに対し何の疑問も抱かなくなってしまった。寧ろそれを唯一の基準にしているようだ。作為的にやろうとすればチョロいものだ。ネット購入者は、それらの評価は正しいと完全に刷り込まれてしまった。かく言う私も「欺された」ことが何度もある。
  
  さてアマゾンだが、曖昧なまま、証明書類を再送するのもいやなので、突然ブロックされたその理由を聞きたかった。メールでは、状況が伝わらないし、無視されたらそれで終わりだ。
  ブログ内にある「電話対応」の記載のところ迄ようやく辿り着き、いざ繋がったと思ったが、30分以上待たされて、ろくな会話もなく、部署が違うと違った番号を教えられた。しかしそこは繋がらない電話だった。繫ぐためには全く違う手続きが必要と自分で調べて判った。
 ようやく繋いだが、結局「いつになるか判りません。その可否は連絡メールが来るまでお待ちください」と振り出しに戻ってしまった。ちなみに、それぞれの電話対応に出た男女は、中国人らしく、話が十分に伝わらなかった。そうだ、アマゾンはグローバル企業なのだと改めて思った。
  まあ、想定していたことだが、アマゾン様のドグマに従えと言うことだ。よく分かった。
  日本の出版流通は、完全にアマゾンに従属させられてしまい、何の対抗策もない。一時期、主要書籍流通が主体となってアマゾンのようなことをやろうとしたが、その企画は潰れたようだ。二番煎じじゃ成功するはずかないだろう。頭を使え!!
  今や電子書籍もAmazonKindleに対応しないと、多くの人が読んでくれない。
  尤もアマゾンの販売は、書籍だけではない。世界中の商品を瀬取り販売して手数料を稼いでいる業者や個人もいるし、中小・零細の販売ルートを持たないメーカーにとっても好都合だ。
  アマゾンによって流通の販売システムが激変したとも言える。世界を覆うビジネスモデルとしては最高だが、しかし、この独裁的なグローバルシステムは、実は大変恐ろしい。便利さと危険さは裏表の関係だと認識しておくことだ。
  
 コロナ関連の使途不明金が、何と11兆円にのぼるという。あまりに杜撰だ。
  例えば、検査そのものに不適なPCR検査システムをしろと、あらゆるマスコミ、行政、政党が騒ぎまくった。そのコロナ関連の使途不明金の一割、二割もあれば、世界最強の日本版プラットフォーム・サーバーシステムをつくれたはずだ。
 しかし、与野党を問わず今の国会議員、政府官僚の中には、そのようなグランドコンセプトを作れる人材はいない。日本の限界だ。しかしマスコミにも知られず、似非保守でもなく、売国のフランクフルト思想に染まらない、優秀な人物はいるはずだ。日本には埋もれた天才は限りなくいる。だが、政府や官公庁は彼らを絶対採用しないだろうな。自身の軽薄さと、保身と嘘がばれてしまうからな……。
 日本人の個人情報は、今や完全に操作され、日本政府・都道府県が率先して、世界に拡散中だ。いくら個人情報保護法を作っても、行政の情報管理システムとその運用する人材がお粗末なのだから対処の仕様がない。

 何の抵抗もなく、殆どの日本人は先ずアマゾンでチェックする。それが「購買」の常識のようになってしまった。わが社のような零細出版者のアマゾンとの関わり方は、アマゾンを自社書籍の告知の場所として副次的に利用し、弊社のネットショップに誘導し、購買に繋げるしか方法がない。弊社のネットショップでは、最新版・訂正版を準備し、価格もいろいろな「特売」を設定しているが、購買者がそこまでなかなか辿り着かないというのが現状だ。だが、これをご覧になった読者諸兄には、賢明な「買い方」をして頂けると信じている。
                                                        2022.9.27       春吉省吾


第二巻「破天荒解」発売記念として、一巻・二巻のセット販売、特別価格5,500円(消費税送料込み・限定200セット)で販売いたします。第二巻「破天荒解」も特別価格2,700円(消費税送料込み・限定200冊)です。自作したB7版・特製度量衡しおりも、先着300名様にプレゼント致します。

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春吉省吾は何故長編に拘るのか VOL.110

j●西新宿の「成子天神社」七福神の大黒様とご対面。第二巻「破天荒解」上梓(Amazonは9月17日以降)のあと、第三巻とDoubleStandard執筆のホンの合間の気分転換と、祈願成就のため。9.13。

●成子天神社はパワースポットの一つという。

●境内にある、七福神の全てを探して、手を合わせて来た。これは福禄寿。 幸福・俸禄・長寿の三徳をそなえる。

神田川が流れる、淀橋。青梅街道かかる橋で、江戸時代は「面影橋」と呼ばれたこともある。

帰り道、十二社熊野神社にも参拝、さあこれで大願成就、午後から机に向かうぞ!!  9.13。

<本文>

  もう、20年近く前になりますが、ある友人から
  「〇(私の本名一文字)ちゃん、何で短編や、中編小説書いて、賞を取りにいかないんだ」
  と言われたことがあります。
  「今時、長編小説書いても読む人も少ないし、第一、名前が売れなければ、多くの人に読んで貰えないじゃないか」
  「う~ん、でもな……」
  そう言って、私は言葉尻を曖昧にしたままでした。
  確かに、日本人は本を読まなくなりました。さらっと読み飛ばす、軽めのもの、暴露もの、芸能タレントが書いた(実際にはゴーストライターが書いた)冊子等が、書店に平積みになります。小説も大出版社や、それを後押しするテレビ・新聞等のマスコミによって作りあげられた作家が、頻繁にマスコミに露出します。〇〇賞もそういう、ベクトルの上にあります。当然と言えば当然です。売れなければ商売になりません。そういう世間のからくりを知ってしまったので、私には、〇〇賞などはどうでも良いことです。選考委員なら別ですがね……。
  ノーク出版のメインHPのサイドバーには「春吉省吾の独り言」が記載してあります。
  「文字を読まなくなった」この時代、『超』長編に拘わるな」と友は言う。しかし複雑な登場人物が紡ぐ「長編小説」を楽しむ心の余裕と、真の教養が今の日本人には必要だ。重層思考を持たない日本人は、世界中の禿鷹に全てを奪われる。春吉省吾の物語を読んで欲しい」
  
  さて現代人が読書をする時間は、携帯電話やスマホの普及に伴い減少しています。大学生においては読書を全くしないという人の割合が全体の半分近くの45%にのぼり、更に老人のテレビ依存症も昂じています。いずれも依存症、中毒症のようなもので、それらをある程度、制御すれば、年間200冊もの読書が出来るという統計もあります。
  
  久保田堯隆という私より3歳年上の日蓮宗の御上人がいらっしゃいます。その方がお書きになった「目からウロコの法華経講話」(水書房刊)という全五巻の書籍を大切に読んでいます。偉い方々の法華経の話や高名な宗教学者先生方の講義は、今ひとつ頭に入って来ませんでしたが、この本は違いました。発行書店もマイナーですが、良書中の良書だと思います。法華経を知る手掛かりの本としては日本最高の書籍だと私は思っています。私は久保田上人とは、まだお目にかかったことはありません。この書籍に出会って、お目にかかるのが怖くてその機会はまだないのです。
  私のそういう感覚、感性、みなさん判りますかね、判る方は間違いなく私の作品のファンになると思います……。
  その久保田上人は、その講話の中で、長編の物語に関してこう持論を故述べておられる。
  ちょっと長いですが、その一部分を御紹介します。
  「世の中には、エッセイを書かせたら見事という方がいます。また新聞の評論などで良い文章を書く方もいます。じゃ、この方たちに、長編小説を書きなさいと言ったら、どうでしょうか。先ず無理でしょうね。心の内側で、小説全体の設計図が出来上がらないままではね……。小説はもちろん、部分部分が面白くて、キチンとしていなくてはなりません。が、それ以上に、その魅力のある部分部分が、どんなふうに均衡を保ちながら、全体を形づくっているか、そこに全てがかかっているんです。この能力を持った人のことをプロというわけです。」
  引用させて頂いた、この一部は実は法華経の教典、すなわち「絶対の真実」を記したその有り様を述べた「雑談」の部分です。
  法華経は絶対永遠の真理の物語で、まさに長編物語の至宝中の至宝です。各章全体が、一つの言葉を発し、その純度の高い短編小説の全てが連関し、重層構造をなしています。まあ、人類史上これに及ぶ長編物語はありますまい。
  
  さて、長編小説それも、書きおこし小説は、作家にとってとんでもない覚悟が必要です。一般に、新聞連載、雑誌連載などの契約によって、原稿用紙一枚何円という収入が保証されます。私には、それがありません。執筆料ゼロというわけですね。
  それを承知で「長編歴史時代小説」に取り組んだのですから、覚悟が違います。それは、一端、私の書が世に出て、私の作品が次の世代に読んでもらう機会は必ず来る。だから本気で読んでもらえば、きっと彼らの意識形成に役立つというという自負があるからです。
  ただ忸怩たる想いは常にあって、もう少し単純な誤字脱字をなくして、世間に「長編歴史時代小説・四季四部作」や、今回の「怪物生成」「破天荒解」の初音の裏殿シリーズが、メディアを通して告知されていれば、読者はあと百倍は増えただろうと思っています。しかし一切焦る気持ちもありません。従来の歴史時代小説よりも、多少マニアックで、ある程度、知的レベルの高い方々でないと、とりつきにくいかも知れませんが、それは、日本人の知的レベルが退化しているからで、私が合わせることではありません。私の読者は、知的好奇心が豊かで、古典や宗教観などの知的レベルのかなり高い方たちだと思っております。
  こういう日本人が、将来にわたって、もっともっと増えていかないと、日本は、したたかなDouble Standardを使い分ける、グローバリストたちのワナに簡単に落ちてしまいます。もうすでに、落ちつつあります。何としても、食い止めなければなりません。何としても……。
  
                                 令和4年9月15日 
                                                                                                                      春吉省吾
 第二巻「破天荒解」発売記念として、一巻・二巻のセット販売、特別価格5,500円(消費税送料込み・限定200セット)で販売いたします。第二巻「破天荒解」も特別価格2,700円(消費税送料込み・限定200冊)です。自作したB7版・特製度量衡しおりも、先着300名様にプレゼント致します。〈アマゾンでは記念販売はいたしません〉
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YouTube春吉省吾チャンネル(「冬の櫻」「秋の遠音」「怪物生成」「破天荒解」の動画など)〈作品のイメージ動画発信〉